身につまされる「永遠のおでかけ」(益田ミリ)(その2)最終回2018年07月26日

身につまされる「永遠のおでかけ」(益田ミリ)
「永遠のおでかけ」
益田ミリ 著   毎日新聞出版  1,300円

続きです。

父親への質問項目。
小学校のクラスは?
美味しかったおやつの思い出は?
父の父(祖父)のこと
どんな間取りの家だったのか?
いい先生はいた?

父は語りだす。

父親が次第に弱っていくのがわかる。
そして、ある日の午前中に母から電話がある。
容体が悪い、あと2、3日かもしれない、と。
夜実家に帰ることにし、仕事の段取りを整える。
「喪服をもって帰ってきなさい」と母に言われる。。

しばらくして、また母から電話がかかる。
父の死の知らせ。

葬儀を済ませ、遺品整理。
なにかを処分したところで、思い出は失われないのだと思った。

ひと月が経っても、父親がこの世にいない実感が湧かない。
踏み込んで考えていると、鼻の奥の「ツン」が始まるので、
そういうモードに入る前に急いでシャッターを降ろす。

大切な人がこの世界から失われてしまったとしても、
「いた」ことを私は知っている。
知っているんだからいいんだ。

父親に確認してみたいと思うことがある。
もう確認することはできない。
あとになって、知りたいことがボロボロ出てくる。

母親と街を歩く。
思い出は街のそこここに散らばっている。

この本は、2018年1月30日発行。
書下ろし。

母親の話を今のうちに聞いておいておこう、という気持ちになりました。

益田ミリの著書としては、異色の1冊ですが、
いい本です。
身につまされます。

一読をお勧めします。

この項、終わり。