羽田空港の”キレイ”を支える「清掃はやさしさ」2016年10月12日

羽田空港の”キレイ”を支える「清掃はやさしさ」
久々の読書ネタ。
著者は、中国残留孤児の2世。

「清掃はやさしさ」
世界一清潔な空港を支える職人の生き様
新津春子 (著)  ポプラ社  1,512円

以下、抜粋です。

職業能力開発センターには「ビルクリーニング管理」という
専門コースがあり、清掃に関する知識や技術が体系的に勉強できる。
「職業」として清掃の訓練が受けられる。

建物内のクリーニングが適切に行われていれば、
ビルを長持ちさせることができる。
そのためにも、
清掃員には建物の構造や素材、法律まで含めて、幅広い知識が必要だ。

資格
ビルクリーニング技能士
清掃作業監督者
清掃作業従事者研修指導者
高所清掃の資格
医院清掃の資格

清掃テクニックは身についているけれど、まわりへの心配りが足りなかった。

そもそも、清掃員がキリキリした気持ちで作業をしていたら、
その場にいるお客さまも落ち着かず、
なんだか急き立てられているような気持になるでしょう。

お客様が清掃の邪魔なのではなく、私自身がお客様の邪魔をしていた。
私が作業を中断して、「どうぞ」とお譲りすればいいのです。
すると、お客さまも「ありがとう」と言ってくださいます。

ただの清掃員から一歩進んで、職人として進む道があると知った。

「覚えてくれない」
「理解してくれない」
というのは、自分本位の考え方です。

仕事に対するやる気を見ながら、
教える側がその人に合わせたアプローチを考えることも大切。

清掃には終わりがない。
きれいにしても、時間がたつとまた汚れる。
次々に新しい素材が登場しますし、対応するのは大変ですが、
課題がどんどん出てくる面白さを感じます。

私たちの本業は清掃です。
しかし、なんのために清掃をしているのでしょうか?
お客様に気持ち良く空港をお使いいただくために、会社は清掃員を雇っているのです。
汚れた場所をきれいにするのは、「気持ちの良い空港」にするための手段の一つ。
服装、身だしなみ、言葉使い、お客様対応。
すべてクリアできてこそ、プロの清掃員。

専門的な技能と知識が必要なのに、
まだまだ専門職として見られていないのが残念でなりません。

きちんとした技術が身につく仕事であることを知ってもらいたい。
清掃に携わる人にも、腕を磨くチャンスがあるのだと知らせたい。

ちょっと上を目指す気持ちを持つこと。
職人としてプライドを持ち、心を込めて清掃に向き合うこと。
それが楽しさにつながり、仕事をやっていくうちに技術が身についてくる。
その積み重ねが自信になり、
一人前の職人として生きていくことができる。

人やモノに対する思いやりこそ、良い清掃の原点です。

                             以上