ラグビーファン必読!?「監督に期待するな」(その2)最終回2018年03月24日

ラグビーファン必読!?「監督に期待するな」
「監督に期待するな」
早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利
中竹竜二 著    講談社 
価格1,620円(本体1,500円+税)発行年月2008年02月

著者は、東筑高校を卒業後、1993年に早稲田大学入学。
ラグビー部主将を務め、2006年同部の監督になる。
そんな著者がリーダーシップについて書いた本です。

続き(最終回)です。

日本一オーラのない監督が目指すスタイルは、
カリスマ性やトップダウンに頼らないリーダーシップである。
リーダーについていくフォロワー達が、
自主性を持って組織を支えていく。
これが「フォロワーシップ」だ。

組織はリーダーじゃない。
例えどんなリーダーが代わる代わるやってきても、
フォロワーがしっかりしていれば、絶対に会社はつぶれない。

「熱」が重要。
何か部ア厚い壁を突き破ろうとするとき、
理屈や情報よりも情熱が重要になる場面がしばしばある。
行動の原点、すべての始まりは熱にある。
熱がなければ、知識も情報も宝の持ち腐れになってしまう。

伸びる人間は、人の話をよく聞く。
人の話をよく聞くとは、物事と正面から向き合う、正対するということ。

コミュニケーションに不慣れな若者たち。
彼らはお互いに言いたいことが言えない。
フラストレーションがたまる。
意見や提案を「非難」と受け取ってしまい、反発する。
反発を受けた人間は、二度と意見を言わなくなる。

学生たちがすべてを決めて実行に移すのであれば、監督はいらない。
様々な意見を求めるのは、
私(監督)が最終決断を下す材料を増やすためだ。
「どうぞ何でも言ってください」
だからと言って、それをすべて採用することはできない。
より多くの判断材料が欲しいだけだ。
誰かの意見には「それいいねえ」と言い続ける。
また次の機会に意見を言ってもらうために。

リーダーの交代がチームのパフォーマンスを落とすのであれば、
それはフォロワーにも責任がある。

リーダーの経験がない選手がキャプテンになると、
大きな試練にぶつかる。
リーダーを経験している人間は、
ここで自分が口火を切らなければいけにとか、
ここは声を出して盛り上げた方がいいとか、リーダーのすべき行動を無意識にできる。
経験値のない人間は、途方に暮れる。
経験がない選手がリーダーを任され、
成長する姿を見るのは楽しみだ。


この項、終わり。