これからの高齢化社会とマンション管理のあり方について(その2)2015年07月03日

昨日の小論文
「これからの高齢化社会とマンション管理のあり方について」
の続きです。

この高齢化社会がもたらすものはなんであろうか?
結論から言うと、
高齢化社会は地方におけるコンパクトシティ化を促進し、
中心市街地再開発と連動したマンション建設が進む。

さびれた商店街(特に駅前)の再開発により、
住、医療、買い物、娯楽、他、生活に必要な諸機能が
徒歩圏内となるところでマンションは増えていく。

以下、その根拠を述べていく。

高齢者、特に75歳以上の後期高齢者は
車の運転が困難になっていき、
車社会に対応できない交通弱者となっていく。

彼らが求める住居の立地は、
車に頼らずに生活が営める公共交通機関の
利便性が高い駅前地区であろう。
また、
生活に必要な諸機能が徒歩圏内に存在していることも求められる。

このような立地条件を満たすものとして、
中心市街地商店街の再開発とセットになった分譲マンションは
最適であると考えられる。

地方都市では郊外のショッピングセンターが増加し、
中心市街地の駅前商店街がシャッター街になっているところが多い。地方自治体からの視点で見てみると、
地価の高価な中心市街地は固定資産税、都市計画税という
有効な財源を確保するためにも、
その活性化による税収増が渇望されている。

また、地方都市のコンパクトシティ化は、
地方自治における住民サービスの集約を可能にし、
逼迫する財源の節約にも寄与する。
国も平成26年に都市再生特別措置法を改正し、
コンパクトシティ形成を目指す立地適正化計画の制度を
とりまとめたところである。

このように、生活者としての高齢者からのニーズと、
地方自治体、国の目指すものが一致して、
中心市街地再開発と連動したマンション建設が進むものと考えられる。

では、
このような時代に求められるマンションとはどのようなものであろうか?

それは、
(1)立地、
(2)バリフリー、
(3)コミュニティではないだろうか。

立地は、これまで述べてきたように、
再開発され活性化された中心市街地の駅前商店街である。
バリアフリーに関しては、高齢者のことを考慮すると必須である。
では、コミュニティは?
マンションを良好に維持管理していくためには、人任せにせず、
区分所有者が皆で大切に維持管理しようとする気持ちのまとまり、
すなわち「コミュニティ」が重要となってくるのは論を待たない。

以上見てきたように、
今後日本が迎える、高齢化、人口減の時代においても
マンション建設が進んでいくものと考えられ、
その重要性はますます増大していく。

更に、そのマンションを良好に維持管理していくためには、
管理業者や区分所有管理士が果たすべき役割に
大きな期待が寄せられるところであり、
その期待に応えるために研鑚を怠ってはならないのである。

参考文献
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」

以上