未来の働き方を考えよう(その1)2013年12月01日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

実は”ちきりん”が好き。
ちきりんとは、ちょっと有名なブロガー。

ちきりんの日記は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/

本も、これが4冊目。
「ゆるく考えよう」
「自分のアタマで考えよう」
「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!」

どの本も、新鮮な切り口で、
読んでいて「目から鱗」になります。

で、この本です。
最近の若い人たちの働き方や、IT革命の中で
長い人生を過ごすなら、40歳くらいで働き方を変えてみるといい。
世界の潮流として、働くことを人生の中でどう位置付ければよいのか、
考えるべきタイミングを迎えている。

そんな本です。

定年が延長されている。
近い将来は、70歳定年になりそうであり、ほぼ間違いなさそうだ。
それを前提にして、

p.26
70歳まで働くなんてありえない・・・

皆さんは、
「70歳まで今と同じように働く自分」をリアルに想像できますか?

70歳で定年退職した後に、夫婦でゆっくり海外旅行を楽しむなんて、
本当に現実的なのでしょうか?
年金の支給年齢が70歳まで延長された時、あなたは本当にその年齢まで、
今の職場で今の仕事を続けていたいと思いますか?

この項、続く。

未来の働き方を考えよう(その2)2013年12月02日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

(その2)続きです。

p.39
これまでほとんどの男性は、
「出産・育児のために自分の働き方を変える」という検討自体をしてこなかった。
そういう判断を迫られるのは、99%女性側だった。
でもこれからは、男性側にも「妻が妊娠したので会社を辞めます」とか、
「妻が海外に転勤するので、私もついていくことにしたので、辞めます」
という人が、少しずつ増えていくでしょう。
家庭と仕事の両立はこれから、男女共通の課題となる。


世界を変える3つの革命的変化

パワーシフトその1
 大組織から個人へ(by IT革命)

パワーシフトその2
 先進国から新興国へ(by グローバリゼーション)

パワーシフトその3
 ストックからフローへ(by 人生の長期化)

p.46
そもそも、「革命」と呼ばれる条件とは?
どうやら「パワーを持つ層の交代」が起こること。
従来の支配層が没落し、
それまで抑圧されていた層との力関係が逆転した場合に、革命と呼ばれているようだ。

この項、さらに続く。

未来の働き方を考えよう(その3)2013年12月03日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

続き、その3です。

パワーシフトその1
 大組織から個人へ(by IT革命)

p.50
ITの進化は、これまで圧倒的な力を持っていた国や大企業などの大きな組織から、
今まではそれらに従属するしかなかった個人や、
個人が集まっただけのネットワークへ、パワーシフトを起こしています。

例えば、ウィキリークス。

p.52
ビジネスの世界でも、大企業の優位性は急速に弱まり、
個人や小企業が大きな組織に対抗することが、
以前に比べてはるかに容易になりつつある。

これまでの大企業は、
ビジネスに必要なインフラ機能をすべて社内に抱えることによって、
それらを持たない個人や小企業と比較して、有利な立場を維持してきた。
しかし今や、
大半のビジネスインフラは、外部から機能ごとにバラバラに調達できる。
レンタルオフィスや秘書サービス、
人材派遣会社や採用アウトソーシングサービス、
クラウドの各種アプリケーションを利用することで、
個人でも簡単に一通りの法人機能を備えることができる。

p.56
現在の学生にも、大企業に属するという選択肢と、
個人として起業するというふたつの選択肢がある。
現時点で大企業に所属する人だって、
退職して起業することも、新興企業に転職することもできます。

技術による社会革命では、個人の判断と行動により、
没落する側に入るか、勃興する側に入るかが決まっていくのです。

この項、さらに続く。

未来の働き方を考えよう(その4)2013年12月04日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

続き、その4です。

パワーシフトその2
 先進国から新興国へ(by グローバリゼーション)

p.60
これまで格差は国と国の間にあり、それは南北問題と呼ばれていた。
けれど今、国家間の格差は急速に縮小し、
個人と個人の格差に置き換えられようとしています。
この現実は、「先進国生まれ」という既得権益に守られ、
子どものころから豊かな生活を享受してきた人たちには、受け入れがたいでしょう。

先進国で拡がった格差に反対するデモを、
途上国の人たちはどんな思いで見ているのでしょう?
そして先進国でデモをする人たちはいったい、
誰と誰が平等になる世界を夢見ているのでしょう?

p.66
圧倒的な頭数のパワー
つい最近まで私たちの住む世界は、
数億人が住む先進国と、それ以外の数十億人が住む非先進国に分かれていました。
先進国の総人口は、北米3億人、西欧先進国3億人、日本1億人と
一部の金持ち(中東やアジアの富裕層)の、合計8億人。

世界の人口は、現時点で70億人。
2050年には90億人になると言われていますが、
先進国人口は、
出生率の高い移民を受け入れている米国を除くと、ほとんど増えません。
人口が大きく伸びるのは、中南米やアフリカと、
アジアの一部の国(インド、インドネシアやパキスタン、バングラディッシュなど)です。
結果として、世界人口に占める先進国人口の比率はどんどん低くなる。
(人口において)先進国は、どんどんその存在感が小さくなる。
平均年齢でも差がつく。

「ごく少数の先進国が、世界全体を牛耳る」というパラダイム自体が、
終焉を迎えつつある。

p.70
これから世界が、「老いた先進国」と、
「若くて大量の人口を抱える(現在の)中進国と途上国」という
二つの世界に分かれるのだとしたら、それは、何を意味するのでしょう?

これまで、先進国の圧倒的な有利さは高度な教育を受ける人の絶対数にあった。
しかし、このような優位性もいつまで保てるかわからない。
ネット上には、動画で懇切丁寧に教えてくれるカーンアカデミーという
無料の教育サービスが登場しており、カバーする領域もどんどん拡大している。

日本語版(かな?)
https://www.youtube.com/user/KhanAcademyJapanese

さらに勉強を続けたければ、
アメリカの一流大学の授業が、ネット上に無料で公開されています。

高度な教育を受けるためのコストは、急速に下がっています。

教育を受ける機会が均等化すれば、
人口の多い国で、より多くの才能が生まれるのは当然のこと。

p.73
グローバリゼーションの進展と人口構成の大きな変化によって、
これまで他国の犠牲の上に成り立っていた先進国の人たちの生活と働き方は、
大きく変わらざるをえません。

この項、まだまだ続く。

未来の働き方を考えよう(その5)2013年12月05日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

続き、その5.

パワーシフトその3
 ストックからフローへ(by 人生の長期化)

寿命が延びれば、一生一つの仕事は非現実的
p.79
20代から40代までは家庭を築き、子どもを育て、不動産を取得して
生活の基盤を築くなど、「新たに作っていく」時期ですが、
50代以降は、子離れをし、多すぎる荷物を捨てて身軽になり、
自分が本当にしたいことだけに時間を使う「不要なモノを捨てる」ステージに入る。

p.81
長らく組織から給料をもらうだけだった人には、自分で稼ぐ力がありません。
こういう人は人生が長くなると、いくら貯金があっても、
毎月毎年それが減り続けるという不安に怯えながら暮らすことになる。
けれど、貯金は少ないけれども、最低限の生活費を自分で稼げる人ならば、
「もしも長生きしても、なんとか食べていけるだろう」と考えることができる。

長生きの可能性が高まると、いくら貯金=ストックを持っていても不安は尽きないけれど、
稼ぐ力=フローを得る力がある人は、ストック型の人より安楽に構えていることができる。

この項、まだ続く。

未来の働き方を考えよう(その6)2013年12月06日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

続き、その6。

p.108
「教育投資は報われる」とよく言われる。
しかし、ここで言う教育とは、
難関資格を取るための勉強のことでも、
一流大学の卒業証書を得るための勉強でもありません。
そうではなく、
「社会で求められる価値を提供する力をつけるための教育」です。

ミニマムに暮らすという選択
お金がなくても生きていける日本
p.115
おおざっぱに言って、私たちが一生に必要な費用は次の4つ。
 1 基礎生活費
 2 住宅購入費
 3 育児、教育費
 4 老後費用

ミニマムに暮らしたいと考える人たちには、
このうち2と3が最初から不要です。
それはつまり、1から4までのすべてが必要な人の、
半分ほど稼げば(=半分の年数だけ働けば)生きていけるということです。

p.129
「一生の間に、2つのパターンの職業人生をおくる」という考え方は、
寿命が延びる中で正解の見えない時代を生きる人にとって、様々なメリットがある、
とてもいい案だと私(ちきりん)は考えています。

チャンスは2回ある、1回失敗しても、もう1回やってみられる、
もしくは、最初にいろいろ試して、
二度目はそこからの学びを活かしてよりよい選択をすればいいと考えれば、
一発勝負とは異なる感覚で働き方を選べます。

p.133
最初の人生は、パッケージ旅行と同様、
定番ライフイベントがコンパクトに組み合わされた
「大体こんな感じ」のパッケージライフなのです。

二回目の働き方を考えるのは、二度目の旅行プランを考えたり、
最初に買った家をリフォームするのと同じくらい、楽しいことのはずです。
最初の働き方は社会から与えられた横並びのものですが、
次は「自分で創るオリジナルの働き方」なのです。

p.137
結果としてどんな道を選ぶにしろ、自分の人生設計に複数のシナリオを用意し、
真剣に検討した上でそのうちの一つを選ぶという方法は、
たとえ机上の空想にすぎなくても、大きな価値がある。
大事なことは20年も働き、様々な条件が整った40代という時点で、
20代の就活後初めて、主体的に働き方を選びなおすという視点を持つこと。

この項、さらに続く。次回が最終回。

未来の働き方を考えよう(その7)最終回2013年12月07日

未来の働き方を考えよう
「未来の働き方を考えよう」人生は二回、生きられる
ちきりん著  文藝春秋  1,300円

続き、その7、最終回です。

働き方を選びなおした人たち
p.141
鎌倉投信という独立系の直販投信会社を創業した鎌田恭幸社長は、
リーマンショックの直前の2008年1月に(会社を)退職し、
11月に40代前半で鎌倉投信を創業した。
この会社は、「これからの社会に本当に必要とされる会社、
出資者がファンとなって応援したくなるような会社に投資する」というのが
ポリシーで、出資者が投資先企業を訪問する機会を提供するなど、
ユニークな活動で知られています。

p.145
女性の生涯教育に注力している日本女子大学の現代女性キャリア研究所では、
「女性のセカンドチャンスキャリア」の実例がデータベースとしてまとまっています。
http://search.riwac.jp/secondchance
それらを読んでいると、パソコンにもビジネスにも全く縁のない生活を送ってきた中高年女性が、
四苦八苦しながら、社会の中で「稼ぐ力」を獲得していく物語がビビッドに描かれており、
「40代で二回目の人生を自分で設計するなんて、
特別な才能のある人でないと不可能」なわけでは決してないとわかります。

p.155
いろいろなプチ引退
 1 半年だけ働く「シーズン引退」
 2 週に2、3日だけ働く「ハーフ引退」
 3 好きな仕事だけ引き受ける「わがまま引退」
 4 (共働きの場合)ひとり1年ずつ引退する「交代引退」
などが考えられます。

p.157
後半の職業人生は、余生でも引退後の生活でもありません。
それは、20年働いた人たちだけが手にできる、
ご褒美としての「自分のためのオリジナル人生」なのです。

支出マネジメントが引退年齢を決める
p.165
私たちに必要なのは、お金に関する根本的な発想の転換です。
早期引退の可否を左右するのは、収入ではなく支出の多寡なのです。
300万円の車を買えば、
たとえ10年間、車を買い替えなくても、
購入費と維持費で合計700万円が必要になります。
これは1年を230万円で暮らせる人にとっては、3年分の生活費にあたります。
「車のために3年間は長く働く」という選択をするのか。
このようにすべての大きな出費は、
「この買い物をしなければ、自分は何年分、早く引退できるか」という年月に換算できる。

p.174
老後の備えに関しては、少々貯金があろうとなかろうと、
「早く死ねばお金が余るし、長生きしたら足りなくなる」のであり、
すべての人に、「思いがけず長生きしたら最後は年金、そそいて生活保護」
という割り切りが必要だ。
だから、
「十分なお金が貯まるまで働こう」と考えるのではなく、
「元気な限りそこそこ稼げる態勢を、一定年齢(40代)をめどに整えよう」
と考えるほうが現実的であり、それが40代で働き方を再設計するという考え方なのです。

p.177
人生が有限だと宣告されたときに生き方が変わるのだとしたら、
それまでの人生は、自分が本当に望んでいる生き方ではなかったということ。
「人生はあと10年」という前提を置く。
10年後に人生が終わっても、後悔しない、本当に楽しい人生だった、
やりたいことはすべてできたと思える生き方をしようと決めた。

p.181
10年後に人生が終わるとしたら、
子どもに残してやりたいものは、十分なお金でしょうか?
自分がやっておきたいことは、今やっていることでしょうか?
やりたいことを後回しにしないこと、
自分にとって本当に大事だと思えることを優先することは、
経済的な備えを少しばかり積み増すことよりも、よほど重要なのです。

オリジナル人生を設計するために、3つのステップ

ステップ1
手に入れたい人生を明確にしよう!

ステップ2
複数の将来シナリオをもとう!

ステップ3
市場で稼ぐ力をつけよう!

まずは、
ステップ1 手に入れたい人生を明確にしよう!

p.191
自分がやりたいことが明確になれば、人生はものすごく楽になる。
それが明確になれば、世間の常識に自分を合わせる必要がなくなります。

p.195
多くの人がお金のない人生を不安に思います。
でも、それよりつらいのは、
やりたいことの見つからない人生です。
何かに熱中する子どもに、とにかく勉強しろとか、まずは大学に行けなどといって、
やりたいことを放棄させるのは本当に馬鹿げています。
心からやりたいことが見つかるのは僥倖と言えるほど、ラッキーなこと。

ステップ2
複数の将来シナリオをもとう!

p.198
企業に入社し、働き始めた人にも、いろんな働き方の選択肢があります。
一つの職業の中にも、多岐にわたるバリエーションが存在している。
一般の会社員であっても、5つくらいの選択肢は常に考えられます。
こういった複数の選択肢について言語化(文字に書く)することは、
それぞれの分野で5年も働いた人であれば、そんなには難しくはないはず。
実際に文字にすることが、とても大事です。

ステップ3
市場で稼ぐ力をつけよう!

p.207
これから社会に出る人には、
できるかぎり市場感覚を身につけられる仕事を選ぶことをお勧めします。
この感覚を身につければ、時代が変わり、所属していた組織が沈み、
人生が100年の時代になっても、一生苦労しなくて済むからです。

p.208
最近は誰にとっても「市場から稼ぐ」ことが、
これまでよりも容易になりつつあります。

p.212
最終的にお金を払ってくれる人を意識していると、
市場が求めるもの、評価してくれるものを提供しようという意識が強くなる。
市場が求めているものとは、時代が求めているものです。
それを提供しようとすれば、自然と自分にも、時代が求めるスキルが身につきます。

p.214
既に40歳、50歳の人でも遅くありません。
誰だって20年も働いていれば、
それなりに社会に売れる知識やスキルがあるはずです。
本人にとっては取るに足りないものに見えていても、
他者から見れば、価値のあることも多いのです。

p.215
小さな子どもを育てている方は、
「市場で生きていく力を子どもにつけてやるには、どうすればいいのか」
という視点を持ちましょう。

あとがきより
未来を考えること、将来の働き方を考えることが、
不安なことでも怖いことでもなく、
楽しいこと、ワクワクできることであることが、とても重要です。

この項、終わり。

「ペコロスの母に合いに行く」という映画2013年12月08日

「ペコロスの母に合いに行く」という映画を観に行きました。
原作は漫画です。
今年の1月に読みました。
http://mansion.asablo.jp/blog/2013/01/28/6704877

映画は、長崎ロケがたくさんあって、良かったです。
主演の赤木春子さんは、
この映画に主演して、ギネスブックに掲載されたそうです。
最年長での映画初主演らしいです。

お話は、ボケが始まった母親と息子の日常です。
親を介護している人に、おすすめです。
長崎出身の方にも、おすすめです。

男の料理、今月は2013年12月09日

男の料理教室
男の料理教室
今月の成果物

1 鮭のゴマ焼き
2 長芋のタラコあえ
3 いり豆腐
4 簡単グラタン

以上4品でした。

牛乳からカッテージチーズをつくって、
2と3をつくりました。
「いり豆腐」は酒のつまみによさそうです。

基山町でゴールデングラブ2013年12月10日

長野選手のゴールデングラブ賞トロフィー
基山町のフェスティバル、
巨人の長野選手のコーナーがありました。

ゴールデングラブ賞のトロフィーが飾ってありました。
2011年、2012年、2013年、3年連続で3個。
写真は、今年(2013年)の分です。

長野選手は、佐賀県基山町出身だったんですね。