超!部下マネジメント術(その3)2015年10月21日

超!部下マネジメント術(その3)
「超!部下マネジメント術」
1/3の時間と労力で人が育つインストラクショナルデザイン
石田 淳 著  インデックス・コミュニケーションズ 1,500円+税

更に続きです。

部下を確実に成長させる設計図を作る
分析 → 設計 → 開発

設計図づくりのプロセス

1 ゴールを設定
   指導を終えた段階で、何がわかり、
   何ができるようになっていればよいのか?

その際に重要なのは、あいまいで抽象的な表現ではなく、
具体的な「行動」を示す言葉を使って表すこと。
「どんな行動をすればよいか」を具体的に示すこと。
例えば、
社内の各部署とのネットワークをつくる(1日に1度必ず連絡をする)

2 できる人の行動をとことん分析する
    何を教えるか?
    「教えるべきこと」を見出すルールは簡単。
    定義づけした「ゴール」に見合う人、つまり
    ”その業務ができている人の行動”と
    ”できていない人の行動”を比較し、その差を探し出す。

(できている人の行動)-(できていない人の行動)=(教えるべき行動)

できている人の行動を徹底的に分析し、そのすべてを書きだす。
こうすると、できるための”チェックリスト”が出来上がる。

少々手間がかかるかもしれないが、一度厳密なものをつくっておけば、
その後は、誰にでも活用できる。

3 事前テストをつくる
   形式はペーパーテストが理想的
   できる人の行動を分析するときに、必要な「知識」をリストアップ。
   その中から、
   「この程度のことは当然知っているだろう」という「知識」を中心に
   ピックアップして問題にすればいい。
   それぞれの知識を「知っているのか?」、「知らないのか?」
   把握したいのは、その一点だけなので、設問はストレートで良い。

4 指導する範囲を決める
   何も知らない、何もできない、という状態をゼロ地点
   指導の目標をゴールとして、
   育てたい部下のスタート地点は、どのあたりかを決める。
   このスタート地点とゴールの間が、部下に行うべき指導の範囲。
   
5 事後テストをつくる
   上司は「わかったか?」と聞く。
   部下は、ほぼ例外なく「わかりました」と答える。
   しかし、実際にはわかってないことがほとんどだ。
   「わかりました」の4パターン
   (1)実際に習得、理解している。
   (2)本当はわかっていないが、上司に対して「わかりません」
      とは言いづらいので、わかったふりをしている。
   (3)本人はわかったつもりでいるが、
      実際には間違った理解をしている。
   (4)部下自身が、「わかっているのか」「わかっていないのか」、
      本当のところを判断できていない。

そのため、知識を教えたら、本当に「習得」「理解した」のか
確かめなければならない。
きちんとテストを行って、知識を覚えたことを確認して、
本人にも「合格だよ」とフィードバックし、それから次に進む。
これが、本当の指導。

この項、まだまだ続く。