たちどまって考える(その3)最終回2021年05月15日

たちどまって考える(その3)
「たちどまって考える」
ヤマザキマリ (著)   (中公新書ラクレ)  税込 924 円

さらに続きです。
最終回です。

息子からの指摘を受けて、読書と映画を見る時間を増やした。
映画や本は、旅とは違った形で内側に栄養を与え、
思考や感情、感性を鍛えてくれるもの。
家の中に居ながらにしてできる「自家発電」のようなもの。

著者が改めて見直した映画
・真夜中のカウボーイ
・さらば、わが愛/覇王別姫
・自転車泥棒
・生きる
・悪い奴ほどよく眠る
・一人息子
・長屋紳士録
・東京物語
・ビルマの竪琴
・ゴッドファーザー
・フラガール

著者がこのコロナ騒ぎにも平常心で向き合えているのは、
母が私に「特殊であることに大騒ぎをしなくていい」という生き方を示してくれたから。

”今”という視点で見れば、寂しかったり辛かったりすることも、
時間がたてばその人の強みに転化されるということは、誰にでも起きること。

不安とどう向き合うか?
日本人は、不安を内側に溜め込みやすい民族らしい。
イタリア人は不安を感じると、
早いうちにすべてを出し切ろうとする傾向がある。
不安や不満が発生した時、何かの形でとりあえずアウトプットすることは、人間の本能に適う、不安の治療法であることには違いない。

経験値を増やすことは、人を強くするだけでなく、
生きていくうえで、より幅広い出来事に対応できる「応用力」を磨く。
「経験」は、その大事なツールとなる。

あとがきから
14世紀のペストや20世紀のスペイン風邪など、
人類はこれまでにも疫病を経験してきた。
14世紀のルネサンスを興せるか、
20世紀のナチズムやファシズムの台頭を許すか。
私たちは歴史の教訓に謙虚になり、
今こそ、そこにしっかりと向き合うことを求められている。

この項、終わり。