デフレの正体(その5)最終回2018年02月27日

デフレの正体(その5)最終回
デフレの正体
経済は「人口の波」で動く

藻谷浩介 著   角川書店 (新書)    782円(本体:724円+税)

続き、その5、最終回です。

どうすればいいのか3
第3の策です。

それは、訪日外国人観光客、短期定住客の増加です。
外国人労働者の導入ではなく、外国人観光客の増加。

これは、生産年齢人口減の補充ではなく、
生産年齢人口が減ったために消費が減少し、
内需が縮小したことへの対策です。

生産者ではなく、消費者を外国から呼んで来ようというもの。

観光は、農業から、製造業、建設業、不動産業、金融業、
その他サービス業まで、あらゆる地域産業を活性化する総合産業。

観光収入は付加価値が高い。

最後に補講
高齢者の激増に対処するための方向性

限られた政府のお金を個人を対象とした助成に回す場合には、
本当に困窮した人、社会的弱者を救済することに集中的に使い、
所得に関係なく給付されるような給付金、減税、
所得控除の類は廃止していくべき。

個人に政府のお金(=皆で持ち寄った税金)を渡すのであれば、
それを貯金してしまうようなゆとりのある階層にまで
対象を広げていては、経済効果(内需拡大効果)が、
その分減殺されてしまう。

次に年金制度の変更

お年寄りの面倒を若者から徴収した金銭で見るという
現行の方式は放棄するしかない。

生活困窮者には最低限のレベルまでの生活保護を一律に与える。
また、年金の代わりになるものとして、
「生年別共済」を制度化する。

「これを購入する人には、生涯何があっても生活と
 一定水準の医療福祉は政府が死ぬまで保障する。
 その代り、幸運にも払い込んだ費用を使わずに
 健康に亡くなった場合には、残りは払い戻さずに、
 生まれ年が同じ他の高齢者のために全額使わせてもらう。」
というもの。

生まれ年ごとの人口の違いに関係なく、
「お年寄りの面倒はお年寄りから徴収した金銭で見る」
ということが実現できる。

最後に
生産年齢人口が3割から4割減った後の国土の姿は
どうなっているのか?

多様な個性のコンパクトシティたちと
美しい田園が織りなす日本

この項、終わり。