入門書にちょうど良い「うつヌケ」(その2)最終回2018年03月20日

入門書にちょうど良い「うつヌケ」(その2)
「うつヌケ」 うつトンネルを抜けた人たち
田中圭一 (著)    角川書店
1,080円    発売日:2017/01/19

続きです。

うつの初期症状に、「うっかりミスが増える」というのがある。
そして、
脳が落ち着きを失い、字が読めない、文字が追えなくなる。
ついには、
体が全然動かなくなる。

うつ治療の特効薬は、自信を取り戻すこと。
人から必要とされること。

参考図書
「マンガで分かる心療内科」
ゆうきゆう (作)    少年画報社(YKコミックス)

フランス哲学研究者の内田樹(うちだたつる)の持論
うつは脳内物質のバランスが狂って、
その狂いに身体が付き合わされている状態。
そうなった時は、
身体から脳に働きかけて、正しいバランスに戻すべき。
合気道は、これと同じことをやる武道だ。
合気道では、身体をモニタリングして
「どう動きたいのか?」体の声を聴く。
脳を休ませ、身体に主導権を渡すことで、心の健康を取り戻した。

人はなぜうつになるのか?
それは、自分を嫌いになるから。
他人に気を使うのと同じくらい自分にも気を使ってあげる。
自分を否定するものから遠ざかり、
自分を肯定してくれるものに近づくべし。

自分を肯定してくれるものが身近にない場合は、
小さな達成感を得られる「なにか」を見つけよう。
例えば、
プラモデルづくり、
登山、
大自然に身を置く、
自分を頼ってくれるペット、などなど。
ささいなことでもいいので、
必要とされている、役に立っていると実感できる瞬間を持とう。

少しでも褒められたら、心の中で何回も何回も反芻する。

この項、終わり。